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ライターっていうより、マッチだよね

雑談

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DeNAのキュレーションメディアが赤々と燃えている関係で、最近はインターネットのそこかしこでメディア論やら、ライター論やらを目にします。突っ込んだ問題意識や、当事者としての心情吐露など読み応えあるものもたくさんある中で、別にいまさら自分が触れなくてもいいかな~とは思ったんですが、なんとなく書いてみます。

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ちなみに、セ・リーグではベイスターズを応援してます。

 

高級ライターって……なんだね?

今回ブログを更新しようと思ったきっかけは、『マガジン航』の記事です。

1円ライターから見た、キュレーションサイト「炎上」の現場 « マガジン航[kɔː]

この中では1文字1円でライティング仕事を受けてる人の心情について、こんな風に当事者から解説されています。

そんな安い仕事でも、文字を入力するのが早い人なら、近所のコンビニやスーパーにアルバイトに行くより、よほどましな稼ぎになるのです。小さな子供を育てながら、主婦が外に働きに出るのは現実的ではありません。かといって現代は夫の収入だけで暮らしていけるような時代でもなく、私と似たような境遇の主婦が、クラウドソーシングの現場ではたくさん働いていました。

~~略~~

そんな環境にいて、私は、
「ここには理想の未来がある」
と思いました。仕事の内容はさておき、働きたいときに、働きたいだけ働ける職場。いつ休んでも、だれにも怒られない。頑張れば頑張っただけ収入が増える、家で子供を背負いながら働ける、そんな夢のような職場です。

 

少々厳しい言い方になってしまいますが、それってつまりは別にあなたじゃなくてもいい、誰でも代わりが利く程度の仕事しか任されてないってことじゃないでしょうか?

現代の労働市場では多くの仕事がコモディティ化していて、そんなこと言ったら大企業の中間管理職クラスの業務でも、多くは「別にあなたじゃくていい」ものになってしまっています。だとしても、ライターのように自分の技能と名前で稼がなくてはいけない人間が、その扱いに甘んじるのは将来性を捨ててますよね。

あと、この記事で『高級ライター』とか、『仕事ができる人たちは、ますますぬくぬくと肥え太り、仕事のできない人たちは切り捨てられる』とあるのですが、たぶん筆者の想定する『高級ライター』だって“ぬくぬく肥え太って”などいないですよ。もしあなたから見て自分の何倍も稼げてると思うなら、それはひとつの記事にかける時間や熱量があなたの何倍かあるからだと思います。

『私は、自分のことを筆力のある人間だと思っています』と書いていますが、筆力って何を指すんでしょうね。単純に文章の巧みさだけで言うなら、自分より上手い人間なんて、次から次に掃いて捨てるほど現れる業界です。文章の巧みさ=筆力ととらえているのだとしたら、それは業務遂行に必要な能力の極々一部でしかないです。

まるで他人を卑しい豚野郎かのように描写して、報われない自分たちと対置させようとするのは、己の被害者性ばかり強調してますよね。本当に肥え太ってるのは『高給ライター』ではなく、あなた方を1文字1円以下でこき使い、ゴミ記事量産してる上流の人間でしょう。

被害者であると同時に加害者でもある

ライターを生業にしようなんて思わず、家事などの空き時間を利用して稼ぎたいだけの人たちにとって、そこそこ家計の足しになって承認欲求も満たせる仕事と考えるとキュレーションメディアの記事作成代行業は悪くない働き口となります。たとえ偽りの希望だとしても。

そのあたりを考察してるのが底辺ネットライター氏こと、其処當あかり(そこあたりあかり)さんです。

www.teihen-writer.net

 

報酬額としては『お小遣いレベル』かもしれないけれど、普段報酬をもらわずにブログやツイッターに投稿している人にとって「書くことが少しでもお金になる」ということは、嬉しいことだろう。

この問題に関しては「記事を書く人」側に立つ全員が「『ライター』としての意識」を高く持てば解決するのかもしれない。

~~略~~

では「意識が低いまま記事を書く人」が問題なのか?と言うと、そうとも言い切れない。そこに当てはまる人たちは「ただ雇い主の指示に従ってアルバイトをしているだけ」だから。

低賃金のアルバイトをしていて、わざわざ「意識を高く持とう」、「問題が起きないようにしよう」と考える人の方が少ない。言うことを黙って聞いていた方が穏便に平和にお金を稼ぐことができる。

目下、お金が欲しい。あと数万円あれば、今、家計が回る。けれど外に働きに出られない。そして今の苦しい家計状況を乗り越えればこれを生業にするつもりはない。

~~略~~

作業時間はパートに出るより短く、休みたい時に休める。ものすごく都合が良いアルバイトだ。

この仕事を「都合が良いアルバイト」と捉える記事量産ライターにとって、重要なのは記事の品質を上げることではない。たくさんの文字を納品して少しでも多くの報酬を得ることだ。

「記事を読む人」の都合は完全にスルーされ、「記事を書かせている人」の都合が最優先される。

これは自分がブラック企業関連の話題でも感じることなんですが、脱法組織で働く人間は自己の被害者性ばかりでなく、加害性にも目を向ける必要があります。

ブラック企業で働き続ける人たちにとって、自分は「搾取されてる被害者」なのかもしれませんが、一方で「不当な手法で市場に参入し、真っ当な経営で頑張ってる企業を追いやる悪徳団体」の構成員でもあります。

真面目に原稿を書いてるライター、正攻法でWEBメディアを運営してる人たちにとって、軽いアルバイト感覚で検索結果を汚染するライターは悪党の一味です。ショッカーの戦闘員です。

再び厳しい言い方になりますが、無能な働き者の凡庸な悪徳によって、あなた方は他人の権利を侵害し、悪事の片棒を担いでいます。その部分を受け止めた上で、「だがしかし~」という話なら読んでみたいです。

少なくとも己の才覚と努力で稼げるようになった人間を『肥え太っている』などと腐し、それと対比する形で1円ライターの世界をしょーもない人情話として語る、田舎くさい三文芝居に付き合わされるよりはマシです。

優しい世界の恐ろしいどん詰まり感 

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