読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

『彼岸島』松本光司

読書 漫画

f:id:o_aiue:20160110215721j:plain

ふと思い立ち週末に『彼岸島』第1期を全巻読み返しました。

この漫画はネット上で頻繁にネタ扱いされているため、タイトルだけは知っている人も多いと思います。内容を掻い摘まんで説明しますと、主人公の明は2年前に行方不明となった兄・篤を探すため、謎の女に導かれるまま吸血鬼の住む島に渡った。

兄弟は再会を果たすが、現代によみがえった最強の吸血鬼・雅によって篤は倒され、明は最愛の兄を失ってしまう。彼は雅を倒すべく人間軍の中心として、吸血鬼軍団に戦いを挑んでいくのだった。

大筋ではこんな感じです。なぜ『彼岸島』がネタ漫画扱いされるかというと、主には主人公の超パワーアップと、御都合主義展開の多さです。

主人公の超人化

物語の初め明は普通の青年でした。高校卒業を間近に控えた彼は、東京の3流大学(母親談)に何とか合格し、幼なじみのユキやケンちゃんとの三角関係が人生最大の悩み。そんな青年です。

ところが怪しい女と、彼女の監視役として彼岸島から本土へ渡ってきた吸血鬼との出会いによって、明は吸血鬼と人間の抗争に巻き込まれていきます。

吸血鬼は人間だったときに比べ身体能力が飛躍的に向上しています。普通の人間では瞬殺されて終わりです。監視役の吸血鬼を倒す際は明を含む数名がかりでやっとでした。それが彼岸島にわたったあとは、たった8ヶ月間の修行で雑魚吸血鬼なら問題なく倒せるようになります。

さらには人間軍の希望として皆から一目置かれ、雅との一騎打ちに臨むなど、もはや普通の青年とは口が裂けても言えません。

「でかした!!」に象徴される御都合主義

彼岸島』を象徴するセリフに「でかした!!」があります。これは明たち人間軍が窮地に陥ったとき、たまたま味方が状況を打破するアイテム見つけてきたときに使われます。私が数えたところ、第1期の時点では全33巻で5回登場しました。

(この後さらに1回増えました)

それ以外にも「でかした!!」と言いたくなる場面が多々あります。吸血鬼に見つからないよう敵のアジトに侵入したいと相談しているとき、敵側から寝返った人物が教えてくれるなど珍しくもありません。

さらに言うなら、島のどこでも当たり前にように日本刀が手に入るのも、御都合といえば御都合です。冒頭で「海と山しかない島」と言われていたはずの小さな島は、きのこかタケノコかというくらい、そこかしこに日本刀が自生してるヤバい島でした。

何だかんだ言いながら楽しんで読めてしまった

だいたい最初の5巻くらいまでは、身体能力で劣る人間が吸血鬼にどう立ち向かうのかという緊張感あったんですが、それを過ぎるとピンチになっても「最後は明さんカッケーで終わるんだろ」と安心しきった状態で読めてしまいます。

物語から緊張感が奪われる。ただ、この御都合主義が良い感じにテンポを生み、何となく読み進める間に10巻、20巻と消化してしまってるんですよね。ストレスなく読み進められることは読み進められます。細かい点に目をつむれば。

広告を非表示にする