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会話が苦手な作家は英会話セリフになってるよって話

雑談 創作夜話

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最後に更新した日付を見たら今年の8月になってて驚き。もう12月だで。

それはそれとして最近WEB小説やら、auブックパス利用してラノベやらを1日2~3冊ペースで読んでて思ったこと。世の中にはプロ・アマ問わず会話シーンの苦手な作家が多い。その理由の多くは無意識のうちに「英会話セリフ」を書いてしまってる。

「英会話セリフ」というのは別にそういった用語があるわけではなく、なんとなく自分がそれっぽいなと思った。

中学の英語の教科書に載っている、「これはペンですか」「ノー。これはリンゴです」みたいなセリフを書いてしまっている人が多い。

そんな馬鹿な、自分はもう少しマシな書き方してるよと思うかもしれないが、本当に多い。びっくりするほど多い。ちょっと意識して読むとランキング上位の作品でも普通に使われてる。

英会話セリフってこんなの

たとえば主人公が「○○ということが分かりました」と言い、それに対するサブキャラのリアクションが「○○だって! つまり○×ということかい」の場合。

主:「そうです。つまり△△は△○だったんです」

サ:「信じられないな」

主:「僕もです。でも調べた結果、どうやらそうらしいんです」

サ:「なるほど。それでは大至急×△しよう」

主:「お願いします」

みたいな会話。

別に破綻してないし、おかしくないじゃんと思うかもしれないけど、破綻してないのがおかしいんですよね。

刑事物のドラマで捜査会議シーンを書くときなら、これでもいい場合あります。そういう場面ですから。だけど作中すべての会話がこれだったら、さすがに待てよって感じます。

会話シーンというのは本来、そのキャラクターの個性だったり、人間関係だったりが表れる場面なはずなのに、過不足なく受け手に情報を伝えるためだけの質疑応答が延々と繰り返され、生きてる人間同士の会話になってないんです。

ちょっと具体例

続いて「英会話セリフ」を書きがちな、相手の不義理が判明するシーンの例。

主:「この前の月曜日はどこへ行ってたの?」

サ:「函館だよ。出張だって言ったじゃないか」

主:「そう。函館は楽しかった?」

サ:「楽しかったよ。いつか君と行きたいね」

主:「女と一緒なら楽しいってこと」

サ:「……何を言ってるんだ?」

主:「私が何も知らないと思ってるの?」

平板でのっぺりした会話なので、少し演出を加えてみます。

主:「この前の月曜は出張だっけ?」

サ:「新幹線の停車駅って函館から離れてるのな。なんもなくて驚いたよ」

主:「お土産は?」

サ:「久しぶりに会ってキスより先にそれか」

主:「あなたは毎日してたでしょ」

サ:「……何を言ってるんだ?」

主:「私が何も知らないと思ってるの?」

分かりやすく最後の2行は揃えてみました。

この例が上手くいってるかは別として、会話文のどこかでズラす意識が必要みたいなのを感じてもらえたら幸い。

なぜ人は英会話セリフを書いてしまうのか

いろいろな理由があるんでしょうけど、圧倒的に不安だからだと思います。物語を完結させないといけない。筋を破綻させてはいけないと強く感じるあまり、自分が書きたい物語、想定される理想的な一本道から外れるのを恐れて遊びがなくなる。

すべての要素が物語の筋に収束してしまう。その結果が「破綻してないけど、面白くもない」物のできあがり。コンクールで言えば1次は通っても2次で落とされる典型。

さして極端な話でもなく、会話シーンはそれ単体で抜き出しても、独立したシークエンスとして成り立つくらい気合い入れて頭も使わないといけないと思うんですよ。

(この文章は5杯目のブラックニッカハイボールを飲みながら、例文を捻り出して1時間ほどで書きました)

kibunya.hateblo.jp

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