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漫画『全ての人が美しい世界』

読書 漫画 comico

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無料漫画アプリ「comico」で漫画『全ての人が美しい世界』を読みました。といっても、まだエピソード1の“midnight circus”だけですが。

内容としては韓国の10代少女たちが、美醜に悩み傷つきながら送る青春物です。作者は韓国の方のようですね。整形大国と言われる韓国、そこを舞台に「誰でも綺麗になれる夢のような整形術」が発明された時代を描いています。ただ、エピソード1の段階ではまだ開発されて間もなく、本格的な整形話はエピソード2からになります。

“midnight circus”の主人公は容姿にコンプレックスを持つ女子高生。彼女は綺麗なクラスメイトを見るたび、「ただ持って生まれた容姿だけで得をしやがって。自分はこんなにも苦労して周りに溶け込みながら生きてるのに」と僻み、妬みながら生きています。

あるとき、とうとう彼女はクラスメイトへの不満を爆発させ、自習中の教室で怒鳴ってしまいます。これにより彼女のもとからは人が離れ、クラスで決定的に孤立してしまいます。綺麗なクラスメイトへの憎悪を深める主人公。果たして彼女はどうなってしまうのか、クラスメイトに隠された秘密とは。誰もが綺麗になれる、容姿が何の得にもならない時代前夜、美醜をめぐるドロドロの青春ストーリー。

縦スクロールを活かしたコマ割と演出

「comico」はパソコンからも(一部除いて)読めますが、基本はスマホアプリから読むことを想定しています。そのためコマ割は従来の漫画と違い、横に細かく割るのではなく、縦に長く1カラムで見せていく感じです。

本作は、この「comico形式」の扱い方が巧く、縦スクロールを利用した演出が随所に見られます。

努力の見え方は平等じゃない

本作の主人公は綺麗なクラスメイトに対し、あいつは容姿で得をしている、自分は不細工だから損ばかり。何かと比べられ惨めな思いをしてきた。あいつは人生イージーモードなのに、なぜ自分はこんなにも辛いのかと恨みを持っています。

ただ、これは物語が進むと明かされますが、クラスメイトもクラスメイトなりに苦労してきました。彼女にも彼女なりの言い分がある。そこを主人公はまったく見てこなかったんですね。

主人公が10代の少女だからというのもありますが、それ以前の話として人間は努力の見え方が偏ってるんです。自分のしてることは100%分かるわけです。昨日より今日、今日より明日をよくするため、こんなことをやりましたってのが自分のことなら全部言える。しかし、他人がどんな苦労をして、何に悩み、そこから抜け出そうと重ねた努力については、表に浮かんでくる少しの部分しか見えない。あとは想像や思いやりで補完するしかないんです。

氷山の一角から全体像を想像する作業。それをせず、ただ目に見えるものだけで判断してしまう、一部を全部と思ってしまうと不公平感が募ります。何で自分だけ。あいつなんか、ちっとも努力してないのに。自分だけが辛い思いをしている。

“midnight circus”の主人公も、ある時点まではそうした生き方をしてます。ただ、物語の終盤で自分には見えない、見ようとしてこなかった面が相手にもあるんだと気づきます。そこから物語は結末へと向かっていき……。

途中ドロドロの展開続きですが、最後は綺麗に彼女たちの今後を想像させながら終わります。ここまでエピソード1、エピソード2と書いてきましたが、各エピソードは独立したオムニバス形式を取っており、取りあえず“midnight circus”だけ単体で読んでみることも可能です。心に痛い青春物お探しなら是非どうぞ。

www.comico.jp

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